孫への教育資金?思わぬ落とし穴に要注意!正しい贈与の知識を知ろう
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平成25年の4月。
税制改正にともない
「子や孫への教育資金の一括贈与制度」
がスタートしました。
どなたも1度は、
耳にしたことがあるのではないでしょうか?
高齢者世代の保有している資産を
子育て世代に移転させることを
補助することが目的でできたこの制度。
「教育資金に限り、1500万円までの
一括贈与を非課税にする」
というものです。
30才未満の子や孫への贈与に利用できます。
平成27年の1月1日から
相続税が増税されたこともあり・・・
相続税対策としては、
一見とても魅力的に見えますね。
一般社団法人信託協会の調べによると、
平成27年9月の時点での総利用者数は、
141,655件。
信託財産設定額は、累計9,639億円と
制度開始時から安定的に伸びています。
やはり、思い切って実際利用する人が
多いんですね。
当初は平成27年の12月31日までの
期間限定の予定でしたが、
このように利用者が多かったため、
予定期間が延長され、
平成31年の3月31日まで申し込みが
できるようになりました。
「かわいい孫やひ孫のために、
利用を前向きに考えている」
というあなた。
実はこの制度、
いくつかの思わぬ落とし穴があるんです。
実際に利用した後で、
「こんなはずじゃなかった!」
と思っている方も、数多く存在しています。
もちろんメリットはありますが、
デメリットや注意点についても慎重に調べた上で、
もう1度検討してみてはいかがですか!?
要注意!教育資金非課税贈与のデメリット!
贈与にはおおまかに、2つの選択肢があります。
1つは「暦年贈与」。
年に(1月1日から12月31日までの間に)
110万円までの贈与なら贈与税の申告が不要
となっています。
110万円までなら、税金がかからず
自由にあげていいんですね。
この制度を利用して、
毎年コツコツと贈与をしていく事を
歴年贈与といいます。
相続税がかからないのがメリットですが、
110万円を超えた分は申告が必要で、
贈与税がかかります。
もし孫の大学進学に合わせて
ある程度の高額を贈与したいと思ったら、
何年か前から計画的に行わないといけません。
対するのが「一括贈与」。
通常この場合は申告し、
額に応じた贈与税が必要なところを、
1500万円まで非課税にしてしまおう、
という「教育資金非課税贈与」。
1500万円いっぱい贈与するとなれば、
暦年贈与ならば470万円の税がかかるところですが、
この制度を利用すれば、それが非課税になるんです。
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また、暦年贈与の場合、病気や事故で、
やむを得ず途中で贈与を続けられなくなることも
考えられます。
同じ金額を贈与するつもりなら、
元気なうちに一括で贈与しておけば、
あとは安心できますね。
これが教育資金非課税制度のメリットです。
期間限定ということもあり、ぜひ利用したくなりますが・・・
その前に今度は、
教育資金非課税制度のデメリットについて
確認していきましょう。
まず、きちんと確認しておきたいのが
「贈与したお金の利用目的は教育資金に限られる」
という点です。
この制度を利用する場合、
受け取り側が専用の口座を用意し、
その講座に贈与額を入金することになっています。
もし贈与されたお金を使った場合、
金融機関に領収書等の提出が必要となるのです。
領収書は、お金を何に使ったかが
はっきりと確認できるものでなければならず、
宛名も贈与を受けた本人のものでなければなりません。
内容によっては教育資金と認められず、
除外となってしまうこともあるのです。
特に、「教育資金」として認められる内容が
不明瞭なところがあり、
実際には内容がかなり限られてしまうことが
デメリットのひとつです。
代表的なものとしては、
海外留学する際の渡航費や、
学校へ通う間のアパート代等は
教育資金として認められない
ので、注意が必要です。
また、この制度を使って贈与したお金は、
「受け取った側が30才になるまでに
使い切れば贈与税が不要である」
というのも注意すべき点です。
せっかく非課税贈与しても!
もし受け取り側が教育資金として
30才までに使い切れなかったら、
残った分は贈与税がかかってしまうことになるのです。
思い切って孫に高額贈与をしたのに、
使いきれない金額だったために
かえって税金の負担をかけてしまうことにもなりかねません。
金額にも注意が必要ですね。
うまく活用していこう!
教育資金非課税贈与のメリット
上記のデメリットを理解した上で、
この制度をメリットをうまく活用したいものですね。
具体的にはどのような使い方が
ベストなのでしょうか。
注目するべきポイントは、教育資金非課税制度は
暦年贈与と併用することができる
という点です。
教育資金非課税制度を申し込んでも、
さらに110万円までなら非課税で利用できます。
前項で書いたとおり、
海外留学の渡航費や、学校へ通うためにアパート代等は
教育資金として認められません。
この点、暦年贈与であれば使い道は自由です。
ですので、入学金や授業料など、
確実に教育資金と認められて、
30才までに使い切れるだけの額は
教育資金非課税制度を利用してまとめて贈与し、
自由に使える額を暦年贈与でコツコツと贈るのが
賢い利用方と言えるかもしれませんね。
参考にしていただけたら幸いです。
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